1.皮の鞣し(なめし) 1-1古代の鞣し(なめし) 人はいつから皮を利用しはじめたのでしょうか。体温を保つには衣服が必要ですが、それには織る、編むといった技術が必要です。動物皮の場合は、それらの技術は不要で、昔から使われ …
2 鞣し(なめし) 鞣しの目的について挙げます。 2-1 耐熱性を持たせる 通常、哺乳動物皮の耐熱性は62~63℃前後。鞣しによってコラーゲンを安定化して皮の耐熱性を向上させます。 2-2 腐敗しにくくする 革は酸よりも …
3. 皮革の組織 3-1 皮 動物の皮は、外部からの刺激や危害から体を守るため、繊維で織ったような緻密な美しい、驚くほど精巧で合理的な構造をしています。皮の断面を下図に示しますが、表皮、真皮、皮下組織からなっています。表 …
4. 皮の損傷 動物の皮膚は成育過程で虫食いなどによる傷、イバラ、鉄柵による引っ掻き傷などが多くあります。様々な損傷は、革の品質に大きく影響します。 1)生態時の損傷(と畜以前) ・寄生虫による損傷:牛バエの幼虫(ウジ …
5 革の裁断部分と名称 図のような名称がつけられています。
6 動物皮の特徴 成牛皮、馬皮などのような大きい皮をハイド(Hide)、小牛皮、豚皮、羊皮などの小さい皮をスキン(Skin)と呼びます。 6-1 牛皮(Hide skin) アメリカの牛皮は一般的にステア、ブル、カウ、キ …
7 代表的な鞣しと革の特性 鞣し工程 クロム鞣し、植物タンニン鞣しの鞣し工程は次のようになっています。
8.革の種類 8-1 鞣し方法による分類 1)クロム鞣し 世界の革の約80%はクロム鞣しでつくられています。染色前は青色をしているのでウェットブルーと呼ばれています。柔軟性、弾力性、引張強さ、耐熱性、染色性に優れています …
9 革の特徴 9-1 一般的な特徴 革が他の材料に比べて優れている特徴は── ① 銀面(表面)が美しく、表面の感触が優れている ② 保湿性があり、触れると暖かく感じる ③ 吸湿性が良い ④ 気温による風合いの変化が少ない …
10 革に求められる項目(用途別) 1)靴甲革 革靴の甲革(足を覆う部分)の70%は成牛革です。機械的な特性(強度と伸びなど)、耐水性、吸放湿性、染色堅ろう性(色落ち)が高いことが求められます。紳士靴では弾力性、柔軟性、 …